MNP予約番号がいらない「ワンストップ」は、自分の乗り換えで使えるか

スマートフォンで申し込み画面を開きながら手元のメモと照らし合わせる人のイラスト 端末と回線の総額

携帯電話会社を替えるときの手続きは、2023年5月に方式が1つ増えました。それまでは今の会社に連絡してMNP予約番号を出してもらい、それを持って次の会社へ申し込む流れでした。

いまは、乗り換え先のサイトで申し込むだけで済む場合があります。ただしいつでも使えるわけではありません。総務省が使える条件として挙げているのは、両社が対応していることとWebで申し込むことの2つです。

乗り換え先のページに「予約番号は不要」と書いてあっても、それは乗り換え先が対応しているという意味で、いま契約している会社との組み合わせで使えるかまでは書かれていません。対応事業者の一覧も公開元によって中身が違います。

この記事では、ワンストップ方式が使える条件と、使えないときに従来の方式へ戻る手順を、総務省と各社の公式情報から整理します。乗り換えと新規契約のどちらが総額で有利かはMNPと新規契約、総額で有利なのはどちらかを条件で比較するにあります。

要点

対応事業者は、ドコモの一覧が2026年3月17日時点、総務省の表が令和6年9月30日時点の内容です。対応状況は各社の案内が正で、時期によって変わります。

  • ワンストップは「乗換え先の携帯会社のWebサイトで申し込むだけでMNP手続きを進めることができる」方式(総務省)
  • 総務省が使える条件として挙げるのは両社が対応していることとWeb手続きであることの2つ
  • 店頭で申し込むと使えません。楽天モバイルは「Webでのお申し込みのみ」と明記しています
  • 申込の途中で乗り換え元のマイページへログインします。総務省も「必要になります」と注記しています
  • 対応事業者の一覧は公開元で中身が違います。ドコモの一覧にahamoの行はありませんが、総務省と楽天モバイルの一覧には入っています
  • 予約番号を先に取ってしまうと、いま契約している会社の側でワンストップの転出手続きができず、従来の方式へ回ることがあります(mineo・IIJmio)。取ってしまっても乗り換えはできます

1. 予約番号は要らないが、途中で乗り換え元へのログインが要る

総務省は方式を2つに分けて案内しています。ここではワンストップ側を見ます(ツーストップは§2)。

ワンストップ方式は「乗換え先の携帯会社のWebサイトで申し込むだけでMNP手続きを進めることができる」もので、MNP予約番号は要りません(電話番号を変えずに乗り換えられるの?|総務省 携帯電話ポータルサイト)。

利用できるのは「Web手続きを利用する場合で、現在及び新たに契約する携帯会社がMNPワンストップに対応している場合」です(総務省)。

手続きは、乗り換え先のサイトで申し込むと乗り換え元のWebサイトへ自動で遷移し、解約にあたっての重要事項説明を受けてから乗り換え先へ戻る流れです。総務省はこの遷移に注記を付けています。「※乗換え元の携帯会社のマイページへのログインが必要になります。」(総務省)

=つまり、途中で乗り換え元のIDとパスワードが要ります。長く同じ回線を使っている方は、申し込む前に、いま契約している会社のマイページへログインできるか試しておきます。

2. 違いは自分から先に手続きするかどうか。番号を取る前に決める

ツーストップ方式の流れは次のとおりです。

  1. 「現在の携帯会社でMNP予約番号の発行を申請する」
  2. 「MNP予約番号をもって、乗換え先の携帯会社で新規契約を申し込む」

(総務省)

こちらは店頭でも電話でも進められます。解約がいつになるかも案内されています。「予約番号を発行しても、乗換え先での契約が完了するまでは、これまでの携帯会社との契約は解約されません。」(総務省)

=つまり、予約番号を取っただけでは解約になりません。取ってから迷ってもかまわない、という意味でもあります。

ただし、先に予約番号を取ると、ワンストップのほうへは戻れないことがあります。総務省のページに条件としては書かれていませんが、申込画面のほうで分かれます。

ソフトバンクのオンラインショップは、ワンストップの手順を「「MNP予約番号情報は取得済みですか?」で「いいえ」を選択し、現在ご契約中の携帯電話会社を選択して、「次へ」をタップ。」と案内しています(新規契約・のりかえ(MNP)をするお客さま|ソフトバンク オンラインショップ)。取得済みなら、この分岐で従来の方式へ進みます。

mineoは、ワンストップの申込ページ自体を「MNP予約番号をお持ちでない場合」と題したうえで、こう書いています。「すでにMNP予約番号が発行されているなど、現在ご契約中の携帯電話会社でMNPワンストップによる転出手続きができない場合は、MNP予約番号を取得いただき、取得したMNP予約番号を利用して再度お申し込みください。」(MNPワンストップのお申し込み(MNP予約番号をお持ちでない場合)|mineo)

=つまり、詰まる先は乗り換え先ではなく、いま契約している会社の側です。ワンストップでの転出手続きができないので、取った番号を使って申し込み直すことになります。

IIJmioも、ワンストップで申し込んだのに従来のMNPへ誘導される場合の可能性として「MNPワンストップ手続き前にご自身でMNP予約番号を取得している、またはそのMNP予約番号有効期限が足りていない」を挙げています(MNPワンストップで申し込みをしましたが、従来のMNPに誘導されました|IIJmio)。

=つまり、予約番号を取ってしまっても乗り換えはできます。減らせるのは工程の数ではなく、乗り換え元へ自分から連絡して番号を出してもらう段取りのほうです。それを省きたいなら、番号を申請する前にワンストップで進めるかどうかを決めます。

ワンストップ ツーストップ
乗り換え元への手続き 申込の途中で自動的に移動 先に予約番号を申請する
申し込みの窓口 Webのみ Web・店頭・電話
両社の対応 両方が対応している必要がある 対応の要否なし
予約番号 不要 必要

3. 一覧は3つあり、載っている会社が食い違う

対応事業者の一覧は1つではありません。どれか1つに載っていないことを、非対応の根拠にはできません。

いちばん新しいのはドコモの一覧で、資料そのものに「2026/3/17時点」と入っています。28行に次の名前が並びます(MNPワンストップ対応事業者一覧|NTTドコモ)。

NTTドコモ/au/UQ mobile/povo/ソフトバンク/ワイモバイル/LINEMO/LINEモバイル/ジャパネットたかた通信サービス/楽天モバイル/楽天モバイル(ドコモ回線・au回線)/日本通信SIM・b-mobile/mineo/センターモバイル/LPモバイル/IIJmio/NUROモバイル/イオンモバイル/BIGLOBEモバイル/J:COM MOBILE/HISモバイル/KABU&モバイル/RayL Mobile/NifMo/Smiles Connect/メルカリモバイル/OCN モバイル ONE/ANAモバイル

この28行に ahamo はありません。 けれども総務省は「MNPワンストップによる転入・転出の両方に対応している携帯会社  令和6年9月30日時点」という18社の表に「NTTドコモ(ahamo)」を載せており(総務省)、楽天モバイルの「MNPワンストップ対象 携帯電話会社(サービス)」にも ahamo が入っています(楽天モバイル)。ahamo は対応していて、ドコモの一覧に行が無いだけです。

逆に、総務省の表は令和6年9月30日時点の18社で、ドコモの一覧にある HISモバイル・メルカリモバイル・ANAモバイルなどは入っていません。新しいほうが範囲が広く、古いほうが漏らしています。一覧で見当たらなかったときは、そこで諦めずに、その会社自身の乗り換え案内のページを開いて確かめてください。

4. 店頭で申し込むと使えない

対応している会社どうしでも、窓口を間違えると使えません。窓口を自社の店舗に限って除いている会社があります。

楽天モバイルは「※楽天モバイルショップでのお申し込みは未対応。Webでのお申し込みのみ。」としています(MNP予約番号なしで乗り換えできる!MNPワンストップ|楽天モバイル)。mineoも「mineoショップ、mineoスポット、mineoショップオンライン、サポート店、販売店、お渡し店ではMNPワンストップのお申し込みはできません。店舗でのお申し込みの場合は、MNP予約番号をご準備ください。」と書いています(mineo)。

これは2社の自社ポリシーですが、総務省も利用できる場合を「Web手続きを利用する場合で」と限っています(総務省)。

=つまり、手続きを店員に任せたいなら予約番号の方式になります。

ここで見落としやすいのが手数料です。総務省は予約番号の申請について「※ MNP転出手数料はウェブでは無料です。(電話や店舗での申込みは1,100円以下の手数料がかかる場合があります。)」と注記しています(総務省)。店頭に行くと有料になりうるのは、この転出手数料の側です。

ただし特典の適用条件は申し込む窓口ごとに定められていることがあるので、Web限定の特典を狙っているなら、その条件を先に見てください。読み方はプラン料金表示の読み方にあります——「特定の申込日・申込方法に限定されていないか」を、強調された金額ではなく同じ画面の注釈のほうで見ます。

両社の対応→Web→ログイン→予約番号、この5つで決まる

  • STEP 1:乗り換え先と、いま契約している会社の両方が対応事業者かを見ます。一覧で見当たらなければ、その会社の乗り換え案内のページまで開きます(§3)
  • STEP 2:Webで申し込むかを決めます。店頭に行くならこの時点でツーストップです(§4)
  • STEP 3:いま契約している会社のマイページへログインできるかを試します。手続きの途中で必要になります(§1)
  • STEP 4:予約番号をまだ取っていないなら、そのまま進めます。取得済みなら従来の方式へ回ります(§2)
  • STEP 5:乗り換え先の申込画面で契約種別に「他社から乗り換え(MNP)」を選び、続く画面で予約番号を持っていない側を選びます。選択肢の名前は会社ごとに違い、ソフトバンクは「MNP予約番号情報は取得済みですか?」への「いいえ」、mineoは「MNPの方法」での「MNPワンストップ」です

途中で止まったら、予約番号の方式へ戻れる

mineoは、いま契約している会社での契約内容などによってはワンストップでは手続きができない場合がある、と案内しています(mineo)。§1のログインで止まることもあります。どちらも、いま契約している会社の側で起きます。

この場合はいま契約している会社にMNP予約番号を申請すれば、従来の方式で乗り換えられます。ワンストップに失敗したことで乗り換えができなくなるわけではありません。予約番号の申請は「大手携帯会社を含むほとんどの場合ウェブからの申込みが可能です。」(総務省)。同じページの注記から、電話や店舗でも申し込めるが手数料がかかる場合があると読めます(§4)。

なお、旧回線の違約金と乗り換え特典の適用条件は、どちらの方式を選んでも変わりません。これらが効くかどうかは方式ではなく旧回線を解約するか残すかで決まるので、そこはMNPと新規契約、総額で有利なのはどちらかを条件で比較するの側で分けています。

使える条件は2つ、詰まるのはいま契約している会社の側

  • 使える条件は「Web手続き」で「両社が対応」しているとき。総務省が挙げているのはこの2つだけ
  • 一覧は複数あって中身が食い違う。1つに載っていないことを非対応の根拠にしない(ahamoはドコモの一覧に無いが対応している)
  • 店頭で申し込むと使えない。楽天モバイル・mineoは自社店舗を明示的に外している
  • 申込の途中で乗り換え元のマイページへログインする。総務省も「必要になります」と注記
  • 予約番号を先に取っていると、いま契約している会社の側でワンストップの転出手続きができず従来の方式へ回る。ただし乗り換え自体はできる
  • 店頭・電話で予約番号を申請すると、転出手数料が1,100円以下かかる場合がある(総務省)

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出典

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