出先でノートPCを開き、スマートフォンのテザリングで繋ぐ場面が増えました。カフェで1時間、移動中に30分。つないでいる時間は短いのに、月末になるとギガの減り方がいつもより速い、という月があります。
減った原因をスマートフォン側で探しても見つかりません。アプリ別の使用量一覧に出るのは、そのスマートフォン自身のアプリが使った分だけで、テザリングで繋いだPCが使った分は一覧に載らないからです。
この記事では、PC側で使用量を見る場所と、PCが勝手に使う分(更新・同期・バックグラウンドのダウンロード)を止める設定を、WindowsとMacそれぞれの公式ページから整理します。スマートフォン側のアプリ別一覧の見方はギガの減りが速いとき、どのアプリが使っているかを見つける手順にあります。
要点
PCが使った分はPC側で測り、PC側で止めます。手順は3つに分かれます。
- Windowsは、テザリングのWi-Fiを「従量制課金接続」にする。これだけで更新・ストアのダウンロード・オフラインファイルの同期が止まる
- Windowsは、そのネットワークに「データ制限」を入れる。上限に近づいたときと超えたときに通知が出る
- Macは、Wi-Fiの「詳細」にある「省データモード」をオンにする
1. スマートフォンのアプリ別一覧にPCの分は出ない
iPhoneもAndroidも、アプリ別の使用量はOSの設定画面に出ます。Appleの案内は「それぞれのアプリの下に、使用したモバイルデータ通信の量が表示されます。」(iPhoneでモバイルデータ通信の設定を表示する/変更する|Apple サポート)で、並ぶのはその端末の中のアプリごとの量です。テザリングで繋いだPCの通信は、スマートフォンから見れば1つの通り道を流れただけで、PCの中でブラウザが使ったのか、Windows Updateが使ったのかまでは、この一覧からは分かりません。
一方で、契約している事業者の集計にはPCの分も含まれます。月間の容量に対して数えられるのは事業者側の数値です(自分の通信量を確認する方法と、表示がずれる理由)。
=つまり、スマートフォンの一覧で見えている合計と、事業者の集計との差が大きいなら、その差の中にPCの分が入っています。差を埋めるには、PC側で見るしかありません。
2. Windowsは「従量制課金接続」にすると、勝手に使う分が止まる
Microsoftは、従量制課金接続を次のように説明しています。
「Windows の従量制課金接続では、アプリとシステム サービスがネットワーク帯域幅を使用する方法を制御することで、データ使用量が制限されます。 有効にすると、バックグラウンド更新やアプリの同期などの一部の機能が、データ使用量を減らすために制限される場合があります。 ユーザーは手動で Wi-Fi またはイーサネット接続を従量制課金として設定できますが、携帯ネットワークは既定で従量制課金されます。」(Windows での従量制課金接続|Microsoft Support)
ここで大事なのは最後の1文です。PCに直接SIMを入れた携帯ネットワークは既定で従量制ですが、スマートフォンのテザリングはPCから見ると普通のWi-Fiです。Wi-Fiの既定については、同じページの日本語版の別の箇所に「Wi-Fi ネットワーク: 既定では、Windows は Wi-Fi ネットワークを従量制課金に設定します。」(Microsoft Support)とあり、上の一文と食い違います。同じページの英語版は「By default, Windows sets Wi‑Fi networks to non-metered.」(Microsoft Support)で、否定形です(2026年9月4日時点の表示)。=つまり、Wi-Fiは既定でオフという英語版の記述のほうが、携帯ネットワークだけを既定で従量制とする上の一文と整合します。テザリングのWi-Fiは、自分でオンにしない限りオフという前提で動いてよく、更新もダウンロードも家の光回線と同じ扱いで走ります。実際の状態はネットワーク名を開けばスイッチで見えます。
設定の経路はWindowsのバージョンで違います。同じページに両方が載っています。
Windows 11:「[設定] で、[ネットワーク & インターネット>Wi-Fi] を選択し>>プロパティに接続している Wi-Fi ネットワークを選択し、[従量制課金接続として設定] をオンにします。」(Microsoft Support)
Windows 10:「[設定] で、[ ネットワーク & インターネット>Wi-Fi> 接続先の Wi-Fi ネットワークを選択し、[ 従量制課金接続] をオンにします。」(同)
11ではネットワーク名を選んだ先の「プロパティ」に入る一段が増えます。
オンにすると止まるものは、公式ページに3つ挙がっています。
「Windows Update で、優先度の高い更新プログラムだけがダウンロードされる。」「Microsoft Store からダウンロードするアプリが一時停止されている可能性があります。」「オフライン ファイルが自動的に同期されない。」(Microsoft Support)
この設定はネットワーク名ごとのものです。家のWi-Fiまで従量制にすると更新が溜まるので、切り替えるのはスマートフォンのネットワーク名だけにします。
3. Windowsの「データ制限」を入れると、超える前に通知が来る
従量制課金接続は「減らす」設定で、使った量そのものは教えてくれません。量を見るには、同じ設定画面にある「データ制限」を使います。
「Windows では、データ通信プランの上限を超えないようにして、データ使用量を抑える方法を探ることができます。 データ制限を設定すると、近づくときとそれを超えたときに通知されます。」(Windows の重要なネットワーク設定とタスク|Microsoft Support)
経路は、設定>ネットワークとインターネット>Wi-Fi で接続中のネットワーク名を開いた先です。そこで「[データ制限の設定] を選択して、このネットワーク上のデータ使用量を制御します。」(Microsoft Support)。制限の種類と数値を入れて保存します。
ここで気をつける点が1つあります。データ制限を入れると、従量制課金接続の設定が灰色になって切り替えられなくなることがあります。
Microsoftはその場合の手順を「データ制限が設定されている場合は、データ制限を削除します。 [ネットワーク & インターネット 設定] に移動し、[ ネットワーク設定の詳細設定] を選択し、[ データ使用量] を選択します。」(Microsoft Support)と案内しています。=つまり、制限を外す画面は「ネットワーク設定の詳細設定」の中の「データ使用量」にあります。名前のとおり、この画面がデータ使用量の入口です。
4. Macは、Wi-Fiの「詳細」にある省データモードで抑える
Macには、Windowsの従量制課金接続にあたる設定が、Wi-Fiネットワークごとの詳細設定の中にあります。Appleは「Wi-Fi」設定の「詳細」ボタンの項目として、省データモードを次のように説明しています。
「省データモード Wi-Fiネットワークで使用するデータ量を削減します。」(Macの「Wi-Fi」設定|Apple サポート)
経路は、アップルメニュー>「システム設定」>サイドバーの「Wi-Fi」で、接続中のネットワーク名の横にある「詳細」を開いた中です(同)。Windowsと同じで、ネットワーク名ごとの設定なので、スマートフォンのネットワーク名だけをオンにします。
Macの公式ページには、省データモードで具体的に何が止まるかの一覧はありません。何が止まったかを知りたいなら、オンにしてから使った量を見比べるしかありません。使った量そのものは、事業者側の集計で見ます(自分の通信量を確認する方法と、表示がずれる理由)。
繋いだ最初の1回で、ネットワーク名ごとに設定を済ませる
一度やっておけば、同じスマートフォンに繋ぐたびに効きます。
- STEP 1:スマートフォンのテザリングにPCを繋ぎます。ネットワーク名がスマートフォンの名前になっていることを見ます
- STEP 2:Windowsは「設定>ネットワークとインターネット>Wi-Fi」でそのネットワーク名を開き、「従量制課金接続」をオンにします(§2)
- STEP 3:同じ画面の「データ制限の設定」で、月の容量より少し手前の値を入れます(§3)
- STEP 4:Macは「システム設定>Wi-Fi」でそのネットワーク名の「詳細」を開き、「省データモード」をオンにします(§4)
- STEP 5:月末に、事業者側の集計とスマートフォン側の合計を見比べます。差が縮んでいれば、PCの分が抑えられています
それでも減るときに見る3か所
上の設定をしても減り方が変わらないなら、止まらない通信が残っています。
- Windows Updateの優先度の高い更新:従量制でも「優先度の高い更新プログラムだけがダウンロードされる」(Microsoft Support)ので、ゼロにはなりません。出先で大きな更新を当てられがちな人は、家のWi-Fiで更新を済ませてから出かけます
- ブラウザの中の動画:設定で止まるのは裏の通信で、自分で開いた動画は止まりません。画質を落とす場所はギガの減りが速いとき、どのアプリが使っているかを見つける手順の動画アプリの節にあります
- そもそも繋がっていない:テザリング自体が不安定で繋ぎ直しを繰り返しているなら、設定より先に接続の切り分けです(テザリングが使えないときに確認する順番)
毎月PCの分で足りなくなるなら、設定で削るより容量側を見る段階です。使い切ったあとに追加で買うか、プランを変えるかの分かれ目はギガを使い切ったあと、低速のまま使うか追加で買うかを金額で決めるに計算式があります。
PCの分はPCで測り、繋ぐ前に従量制へ切り替えておく
- スマートフォンのアプリ別一覧に、テザリングで繋いだPCの分は出ない。事業者の集計との差の中に入っている
- Windowsは、スマートフォンのネットワーク名だけを「従量制課金接続」にする。更新・ストア・オフラインファイルの同期が止まる
- 上限の通知は「データ制限」で。制限の入口と出口は「ネットワーク設定の詳細設定」>「データ使用量」
- Macは、Wi-Fiの「詳細」にある「省データモード」。何が止まるかの一覧は公式にないので、使った量の変化で見る
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