スマホとPCを1台の充電器でまかなえるか?必要なW数の見積もり方

1台の充電器からノートPCとスマートフォンへケーブルをつないだ机のイラスト 充電と電源の安全

出張や旅行のとき、スマホ用とノートPC用で充電器を2つ持ち歩くのをやめて、1台のUSB-C充電器にまとめられないか。ただし「65W」「100W」は1台だけつないだときの上限で、2台つなぐと多くの充電器はこれを2つのポートへ振り分けます。2台の必要W数の合計が振り分け後の出力を超えた側は、低速充電になります。見るのは合計出力とポートごとの出力の関係です。

合計出力と、同時使用時の1ポートあたり出力の両方で決まる

1台の充電器で複数の機器を同時に充電できるかどうかは、仕様表に載る合計出力と2台接続時の1ポートあたり出力の両方で決まります。どちらか一方の数字だけでは選べません。

  • 1台しか充電しないなら、充電器の最大出力(例:65W)がそのまま使える上限になります
  • 2台同時に充電するなら、多くの充電器は合計出力を2つのポートに振り分けるため、1ポートあたりの出力は単独使用時の最大値より下がります。それぞれの機器が必要とするW数の合計が、充電器の2台接続時の合計出力を超えないかを確認してください
  • 充電が想定より遅い・止まる場合は、もう一方のポートに挿さっている機器を外すと、そのポートへの出力が増えることがあります

同じ「65W充電器」でも、2ポート同時使用時にどう振り分けられるかはメーカー・機種によって仕様が異なります。具体的な振り分け方は、使う充電器の公式仕様で確認してください。

1台のときと2台のときで、仕様表の欄が分かれているか

条件 見るところ どう変わるか
1台だけ充電するか、2台同時に充電するか 充電器の仕様ページに「1台接続時」「2台接続時」で最大出力が分けて書かれているか 2台同時では、多くの機種で1ポートあたりの上限が単独使用時より下がる
それぞれの機器が必要とするW数 機器メーカーの公式ページ(高速充電に必要なW数の案内) 必要W数の合計が、2台接続時の充電器の合計出力を超えると、どちらかが低速充電になる
特定機器を優先する充電器かどうか 充電器の仕様に「優先順位」といった記載があるか 優先されない側の機器は、優先される側を外すまで出力が制限されることがある

Apple「デュアルUSB-Cポート搭載35W電源アダプタ」を例に見ると、2台接続時の振り分けは次のように公開されています。

“2台接続すると、それぞれのデバイスの必要電力に応じて、2台の間で自動的に電力が分散されます。2台のデバイスを同時に充電する場合、ほとんどのデバイスでは、電力が均等に分配されます。”(Apple サポート)

“MacノートブックとiPhoneまたはiPadを接続した場合、各デバイスに最大17.5Wの電力が供給されます。”(Apple サポート)

“MacノートブックまたはiPhoneと、Apple WatchまたはAirPodsを接続した場合、MacノートブックまたはiPhoneには最大27.5W、Apple WatchまたはAirPodsには最大7.5Wの電力が供給されます。”(Apple サポート)

合計出力が35Wの充電器でも、均等に分配される組み合わせと、片方に多く配分される組み合わせがあることが分かります。組み合わせによって振り分けが変わる以上、この充電器ならどの機器同士を組み合わせても同じ結果になる、とは言えません。

一方、Googleの「Pixel Flex デュアルポート67W充電器」は、均等分配ではなく優先順位方式を採用しています。公式仕様には次のように説明があります。

“この充電器は、Google Pixel が接続されると自動的に認識し、他のデバイスを同時に充電している場合でも、Google Pixel を急速充電するために電力を最大限に活用します。”(Google Pixel ヘルプ)

優先順位は次のように公開されています。

“優先順位 1: Google Pixel”(Google Pixel ヘルプ)

“優先順位 4: Google Pixel 以外のデバイス”(Google Pixel ヘルプ)

2台接続時の出力についても数値が公開されています。

“接続されているデバイスが 2 台の場合は、次のようになります。”(Google Pixel ヘルプ)

“どちらのポートでも最大出力は 60 W です。”(Google Pixel ヘルプ)

“両方のポートの最大合計出力は 67.5 W です。”(Google Pixel ヘルプ)

Pixel以外のノートPCなどを一緒に充電すると出力が制限されることについて、公式サポートは次のように案内しています。

“Google Pixel Flex デュアルポート 67W 充電器は、Google Pixel 以外のデバイスよりも Google Pixel や Google Pixelsnap 充電器の充電を優先するよう設計されています。このため、もう一方のポートで使用できる電力が制限されることがあります。”(Google Pixel ヘルプ)

充電に時間がかかる・止まるときに見るところ

Appleは、期待どおりに充電されない場合の確認点として、消費電力が充電器の上限を超えていないかを挙げています。

“デバイスの消費電力量が、電源アダプタの片方または両方のポートで供給可能な量を上回っている可能性があります。”(Apple サポート)

“デバイスの電力消費量が35Wを上回っていないことを確認します。この電源アダプタで供給できる最大電力量は35Wです。”(Apple サポート)

ノートPCとスマホを同時に充電していて、ノートPCの充電が思ったより遅い場合は、まずスマホ側を外して、ノートPC単体でどれだけの速度が出るかを確認すると、原因の切り分けができます。

60W以上のノートPCとスマホを同時に、は満たせないことがある

  • 大容量のノートPC(60W以上を必要とする機種など)とスマホを同時に急速充電したい場合、充電器の2台接続時の合計出力がノートPCの必要W数を大きく超えていないと、同時使用時にどちらも単独使用時の速度では充電されません
  • 優先順位方式の充電器(Google Pixel Flexなど)は、優先されない機器の充電速度が、単独使用時より落ちることがあります
  • 60Wを超える出力を使うには、充電器だけでなくケーブル側も対応品である必要があります。Googleは次のように案内しています。”60 W を超える電力を必要とするデバイスには、60 W を超える Power Delivery 認定を受けた「E-Marker」ケーブルを使用する必要があります。”(Google Pixel ヘルプ)
  • ここで挙げた数値は各メーカーが自社製充電器について公開しているものです。他社製の充電器を使う場合、同じ振り分け方になるとは限りません

関連記事

出典

タイトルとURLをコピーしました