モバイルバッテリーの容量・出力・PSE表示の見方

モバイルバッテリーを手に取って表示を見る人のイラスト 充電と電源の安全

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モバイルバッテリーの商品ページやパッケージには、mAh・Wh・W・PSEマークなど複数の数字や表示が並んでいます。自分の使い方(スマホだけを充電したいのか、複数台を同時に充電したいのかなど)に合った製品かどうかを、どこを見て判断すればよいかを、公的機関と規格団体・メーカーの公開情報から整理します。

要点

パッケージのmAh表示は、そのまま外部の機器に取り出せる電気の量ではありません。電気用品安全法の技術基準にもとづく「定格容量」は、経済産業省のFAQによれば内蔵する電池自体の容量とは一致しないとされています。出力(W)の数字はモバイルバッテリー側が出せる上限であって、接続した機器が常にその数値どおりに充電されるとは限りません。PSE表示は法令上の販売可否に関わる表示で、それ自体はリコール対象かどうかとは別の情報です。

容量(mAh・Wh)の読み方

モバイルバッテリーの容量は、多くの製品で mAh(ミリアンペア時)という単位で表示されています。経済産業省はモバイルバッテリーに関するFAQで、mAh表示についてこう説明しています。

“m(ミリ)は、1000分の1を示す接頭語であるので、2000mAhと表示しても、2Ahと表示しても、単位としては同じ(Ah)で表示していることになる。”(経済産業省)

ただし、パッケージに書かれた容量の数字がそのまま外部へ取り出せる電気の量ではありません。 経済産業省はモバイルバッテリーに関するFAQで、「定格容量」の定義について次のように説明しています。

“J62133-2(2021)に基づく定格容量とは、モバイルバッテリーとして5時間にわたり供給できる電気容量のこと(JIS C 8711(2019) の3.5項参照)。なお、この定格容量は、内蔵する電池の容量と一致するものではない。”(経済産業省)

ここで押さえておきたいのは、mAhと書かれた数字が同じものを指すとは限らないことです。経済産業省の説明が区別しているのは次の2つで、両者は一致しません。

  • 内蔵する電池セルそのものの容量
  • J62133-2(2021)に基づく定格容量(製品として5時間にわたり供給できる電気容量)

なお、どちらの数字であっても、電圧を変換して外部の機器へ送る過程では損失が出るため、機器側に入る電気の量はさらに小さくなります。製品パッケージのmAh表示がどれを指しているかは、その製品の表示に「定格容量」と明記されているときだけ決められます。明記が無ければ、どの数字なのかは製品ページやメーカーの表記を見ます。

mAhをWh(ワット時)に直す式は、国土交通省が公式資料で示しています。

“ワット時定格量 (Wh)=定格容量 (mAh)×定格電圧 (V)÷1,000″(国土交通省)

Whの値が要る代表的な場面は、飛行機に持ち込むときです。手元の1台を式に当てはめる手順と、区分ごとに予備の電池を何個持てるかは機内持込みのWh換算と個数制限にまとめました。

10000mAh表示の製品の例です。ここまでの読み方で、この数字が何を指しているかを商品ページの表示で確かめられます。

Anker Zolo Power Bank (10000mAh, 30W, USB-Cケーブル内蔵)

容量10000mAh・最大30W出力。ケーブル内蔵型で、容量と出力の見方を確かめるときの一例

Anker Zolo Power Bank (10000mAh, 30W, Built-In USB-Cケーブル) (モバイルバッテリー 10000mAh 最大30W出力 USB-C ケーブル一体型 ディスプレイ搭載) 【PD/PowerIQ搭載/PSE技術基準適合】iPhone 16 / 15 Android iPad

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出力(W)の読み方

出力のW数は、USB PD(USB Power Delivery)という規格にもとづいて表示されていることが一般的です。USB-IF(USB規格を策定する団体)は、USB PDの目的を次のように説明しています。

“The USB Power Delivery (USB PD) Specification enables the maximum functionality of USB by providing more flexible power delivery along with data over a single cable.”(USB-IF)

パッケージや商品ページに書かれたW数は、そのモバイルバッテリーが出せる電力の上限です。接続した機器が常にその数値どおりに充電されることを意味しません。 実際にどれだけの電力が流れるかは、モバイルバッテリーと機器の間でケーブル越しに交渉して決まり、必要なW数は機種によって異なります。Appleはこの点について、iPhoneの高速充電に必要なアダプタのW数を機種ごとに公開しています。

“iPhone 12以降を高速充電するには、20W以上の電源アダプタが必要です。”(Apple サポート)

“iPhone 17、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxの場合、40W以上のアダプタを使用してバッテリーを約20分で最大50パーセントまで充電できます。”(Apple サポート)

同じiPhoneというブランドでも機種によって必要なW数が違うことが分かります。自分の機種に必要な出力は、機器メーカーの公式ページで確認してください。

ポート構成と「合計最大出力」の関係

複数のUSBポートを持つモバイルバッテリーでは、ポートごとの出力とは別に「合計最大出力」という数字が仕様表に載っていることがあります。ポート単体の最大値と、複数ポートを同時に使ったときの合計値は別の数字です。 製品ページの仕様表で、ポートごとの出力と合計最大出力の両方を見てください。

複数台を同時に充電する予定があるなら、1ポートあたりのW数だけでなく「合計最大出力」の欄も見ます。台数を増やすほど、1台あたりに配分される出力は小さくなる製品があります。USB充電器では、仕様ページに「1台接続時」「2台接続時」で最大出力を分けて載せているメーカーがあり、振り分け後の値をそこで拾えます。ただし分け方はメーカー・機種で違います。実際の数値を並べた例はスマホとPCを1台の充電器でまかなえるかにあります。

PSEマークがあっても、リコール対象かどうかは分からない

モバイルバッテリーは電気用品安全法の規制対象で、PSEマークの表示が法令で義務づけられています。ただし全部が対象なのではなく、経済産業省は範囲をこう限定しています。

“内蔵する単電池1個当たりの体積エネルギー密度が、400Wh/L(ワット時毎リットル)以上のものが対象となる。”(経済産業省)

同じFAQは、交流100Vも出せるポータブル電源、モバイルバッテリー機能付きWi-Fiルーター、外部給電できるスマートフォンやノートPCを対象外としています。つまり「充電できる機器すべてに丸形PSEが要る」わけではありません。そのうえで、対象になるものについてはこう定められています。

“電気用品安全法第27条に基づき、PSEマークの表示及び届出事業者名の表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。”(経済産業省)

モバイルバッテリーに表示されるPSEマークの形については、次のとおりです。

“モバイルバッテリーは、電気用品安全法上「特定電気用品以外の電気用品」として分類されることから、丸形のPSEマークを表示することになる。”(経済産業省)

規制の適用時期については、次のように説明されています。

“平成30年2月1日以降、製造、輸入又は販売の事業を行う者は、PSEマーク表示の無いモバイルバッテリーを販売することはできない(流通在庫を含む)。ただし、事業者における対応の準備期間として平成31年1月31日までの1年間を経過措置期間とし、この間は、これまでの扱いによることもできる。”(経済産業省)

平成30年2月1日(2018年2月1日)に規制の対象となりましたが、平成31年1月31日(2019年1月31日)までの1年間は事業者の対応準備期間(経過措置期間)とされ、この間は従来の扱いも認められていました。経過措置が終わった2019年2月1日以降は、PSEマーク表示のないモバイルバッテリーを販売できません。

PSE表示の有無は、法令上その製品を国内で販売できるかどうかに関わる表示です。 リコール対象になっているかどうかは別の情報で、PSEマークが付いていることがリコール対象でないことの証明にはなりません。対象かどうかは型番で調べられます。消費者庁のリコール情報サイトとNITE SAFE-Liteでの照合手順はモバイルバッテリーがリコール対象か確認する方法にまとめました。

スマホ1台か、複数台か、飛行機に持ち込むか

必要な性能は、何を・何台・どんな場面で充電したいかによって変わります。

  • スマートフォン1台を主に充電するなら、機種メーカーが公式に案内している必要W数(前述のApple公式ページの例のような情報)を満たしているかを確認します。
  • 複数台を同時に充電する可能性があるなら、ポートごとの出力だけでなく「合計最大出力」の表示を確認します。
  • 出張や旅行で飛行機を使うなら、持ち込めるかどうかを決めるのはmAhの大きさではなくWhの値です。国土交通省は「機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで」とし、預入(受託)手荷物に入れることは禁止しています(国土交通省)。ただ、航空会社がこれより厳しいルールを設けている場合もあります。手元の1台の区分と会社ごとの条件は機内持込みのWh換算と個数制限で確かめてください。

容量を倍にした20000mAh表示の例です。飛行機に持ち込む予定があるなら、機内持込みのWh換算と個数制限で、この製品が何Whでどの区分に入るかを先に出せます。

Anker Zolo Power Bank (20000mAh, 30W, USB-Cケーブル内蔵)

容量20000mAh・最大30W出力。ケーブル内蔵型で、容量と出力の見方を確かめるときの一例

Anker Zolo Power Bank (20000mAh, 30W, Built-In USB-Cケーブル)(モバイルバッテリー 20000mAh 最大30W出力 USB-C ケーブル一体型 ディスプレイ搭載) 【PD/PowerIQ搭載/PSE技術基準適合】iPhone 16 / 15 Android iPad

Anker Zolo Power Bank (20000mAh, 30W, Built-In USB-Cケーブル)(モバイルバッテリー 20000mAh 最大30W出力 USB-C ケーブル一体型 ディスプレイ搭載) 【PD/PowerIQ搭載/PSE技術基準適合】iPhone 16 / 15 Android iPad

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★4.0(1件)

数字の読み違えが起きやすい4か所

  • 製品に「定格容量」と明記されたmAh表示は、内蔵する電池セルそのものの容量とは一致しません(経済産業省の説明)。明記が無い表示がどの容量を指すかは、仕様欄にも書かれていなければ分かりません
  • 出力のW数は上限であり、接続した機器がその数値どおりに充電される保証ではありません
  • 複数ポートを同時に使うと、1ポートだけを使うときより配分される出力が小さくなる製品があります。仕様表に「合計最大出力」の行があるかを見ます
  • PSEマークの有無は法令上の販売可否に関わる表示で、リコール対象かどうかとは別の情報です

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本文で挙げた表示が載っている商品

順位付けではなく、この記事で説明した表示が製品情報に記載されている例です。価格と在庫は変動するため、各販売ページでご覧ください。

画像 商品 特徴 評価 購入先
Anker Zolo Power Bank (10000mAh, 30W, USB-Cケーブル内蔵) Anker Zolo Power Bank (10000mAh, 30W, USB-Cケーブル内蔵) 容量10000mAh・最大30W出力。ケーブル内蔵型で、容量と出力の見方を確かめるときの一例 ★4.53(432件)
Anker Zolo Power Bank (20000mAh, 30W, USB-Cケーブル内蔵) Anker Zolo Power Bank (20000mAh, 30W, USB-Cケーブル内蔵) 容量20000mAh・最大30W出力。ケーブル内蔵型で、容量と出力の見方を確かめるときの一例 ★4.0(1件)

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